時代劇・恩讐の彼方に |
| 2007年7月31日 (火) | | 前のページ |
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| ■ものがたり | |||||||||||||||
| 第一幕 時/江戸時代・亨保期、所/江戸田原町・旗本中川三郎兵衛邸内 旗本中川三郎兵衛に仕える中間、市九朗はふとした過ちから家宝の盆栽を傷つけてしまう。それを見つけた主人公三郎兵衛は生来の短気も手伝って、市九郎を手打ちにしようとするがかえって市九朗に討たれてしまう。はずみとはいえ主人を殺してしまった市九朗は罪の恐ろしさのために腹を切ろうとするが、腰元お弓にとめられる。 かねてから主人に不満をもっていたお弓は、いい機会とばかりに、逃亡をもちかける。もとより命の惜しい市九朗はこれに応じ、何処ともなく落ちのびて行く。 第二幕 時/前幕より二、三年後 所/木曽街道・鳥居峠の茶屋 江戸から逃れてきた市九朗とお弓は、今では、小さな茶屋を営んでいる。 しかし、それは表向き、裏では何やら後ろ暗い様子である。 今日も、通りかかった旅の若夫婦に愛想よく振る舞うお弓であるが、配る目の端々には油断のならない光が見え隠れしている。 お弓は若夫婦が立ち去るやいなや、隠してあった脇差を市九朗にさし出す。 気が進まないながらも、受け取る市九朗。二人は盗賊に身を落としていたのだ。 --------首尾良く仕事をはたしてきた市九朗を迎えて上機嫌のお弓であったが、女の死体に髪飾りを残してきたと知るや、一転、市九朗をなじりはじめる。挙げ句のはては、市九朗が気が進まないと見るや、取り残してきた髪飾りを自分で取りにいってしまう。 お弓の後ろ姿に、凄まじい人間の醜さを見てしまった市九朗は、翻然として、おのれの罪の深さに気づく。今まで殺してきた多くの人々の影に怯えながら、市九朗は再び、あての無い道を一人で踏み出して行く。 第三幕 時/第二幕より二十数年後 所/九州・耶馬渓・青の洞門 市九朗は放浪するうち美濃国大垣にある、浄願寺の住職に救われる。上人の計らいで出家した市九朗は、了海と名乗る。 修行を積んだ後、諸国巡歴の旅に出た了海は、九州一の霊場として名高かった耶馬渓羅漢寺の参詣者が、手伝いの鎖だけを頼りに谷を渡る難渋を見かねて、洞門を掘ることを決意する。当時人々は山国川の谷肌に狭い道を作り、鎖を手がかりに通行していたが、足を踏み外して人馬が川に落ちる事故が続出していたのだ・・・。 二十余年の長い年月をかけてやっと完成を間近にしていたある日、父三郎兵衛の仇討ちを志す若者、実之助に発見される。長年の岩石との格闘で死力を尽くしきった了海は完成までの猶予を願い、実之助はこれを了承し、完成の時期を早めるため自分も作業を手伝うことにする。二人は一心不乱に掘り続けた!そして遂に了海の老いさらばえた眼に、まぎれもなく月の光に照らされた山国川の姿が映った。最後の一撃に破られて洞門の穴が開いたのだ!完成の感激に手を取り合って涙する二人の間には、恩讐を越えた大きな喜びが通い合い、いつしか実之助は了海を許していた! |
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